反ったら戻らない!サイディングの反りの原因と補修方法は?
- 最近、サイディングが浮いてきた気がする
- 外壁のつなぎ目に段差ができている
あなたの家には、こんな症状はありませんか?
「このくらいなら大丈夫でしょ!」と思ってしまいがちですが、これらは「反り」と言われる最も重度の劣化症状の一つです。
軽度のうちであれば何とか補修ができますが、進行するとサイディングボードの貼り替えや構造躯体の腐食を招く非常に危険な症状です。(サイディングボードの末期症状とも言われています。)
つまり、たとえ小さくても「反り」は緊急事態です!
本記事では、非常に危険な「反り」の原因や危険性、補修方法まで詳しく解説していきます。
ぜひ、最後まで読んで下さいね!
Contents
サイディングボードが反る原因は?
「反り」が発生する原因は、防水切れの放置です。
それでは、どのようにして「防水切れ」が「反り」を引き起こすのかを解説していきましょう!
【第1段階】防水機能の低下
そもそも、窯業系サイディングボード自体には防水性能がありません。
そのため、表面を塗装でコーティングすることで水の浸食から守っています。(ワックスをかけた車のように、はじめは水をコロコロとはじきます。)
この塗装は、新築時で平均5~7年、塗り替え後は平均7~10年で劣化し、防水機能を失います。
そうして、多くの家は新築後7年、塗り替え後10年の頃には、外壁に雨水がじわじわと染み込み始めます。
※選んだ外壁材・塗料のランクによって年数目安は変わります。
【第2段階】吸水と乾燥を繰り返す
塗装が劣化して防水機能が失われると、雨が降るたびにスポンジのように外壁に水が染み込み続けます。
翌日晴れれば、外壁は乾いていきます。
また、雨が降れば水が染み込み、晴れると乾く。
そうして、来る日も来る日もサイディングボードは吸水と乾燥を繰り返し続けます。
【第3段階】変形を引き起こす
①吸水
②乾燥
③外側に引っぱられる
ところが、サイディングボードは14~20mmの厚みがあるため外側が乾燥し、内側が湿った状態になります。サイディングボードの外側が縮み、内側が膨張したままの状態です。すると、先に乾いて縮んだボードの外側に引っぱられ、サイディングボードが弓のように反り始めます。
これが「反り」が発生する原因です。
緊急事態!「反り」の危険性とは?
「反り」はサイディングボードの末期症状と言われています。もしも、あなたの家に「反り」が出ていたら緊急事態です!
では、どうしてそれほど危険とされるのでしょうか?
その理由を解説していきましょう!
理由①二度と元には戻らない
変形したサイディングボードはその形でがっちりと固まっているため、力ずくで戻そうとするとバキッと割れます。一方、塗装は表面をコーティングするだけなので「反り」が戻るものではありません。
つまり、一度反ったサイディングボードは、基本的に元に戻すことができません。
ひび割れても補修で塞ぐことができます。でも、反ったら基本的に諦めてそのまま塗るしかありません。
これが、「反り」が末期症状とされる理由です。
理由②流れ込む水の量がダントツで多い
そして、最も怖いのが「構造躯体に流れ込む水」です。
健全なサイディングボードは、ぴったりとかみ合わさっているため雨水が流れ込むことはありません。ところが、少しでも反ってしまうとかみ合わせの部分に隙間ができてしまうため、いとも簡単に雨水は流れ込みます。
そして、その流れ込む量はひび割れとは比較になりません。
例えば、大雨の日を想像してください。
- 窓に小さなひび割れがあったら、どのくらい水が吹き込みますか?
- 窓が少しだけ空いていたら、どれくらい水が吹き込みますか?
小さなひび割れ程度なら、少し水が入る程度です。
でも、窓が少しでも空いていたら、窓際はびしょびしょになってしまいますよね。しかも、この窓はもう二度と閉めることができないとしたらどうなるでしょうか?
これが、サイディングボードが反っている状態です。締め忘れた窓から水が吹き込むように、戻ることのないボードの隙間から躯体内部に大量の水が流れ込み続けます。
これが「反り」の危険性です。
ところが、構造躯体がびしょびしょに濡れても、それどころか腐っても、シロアリが湧いても、外から一見すると健全なようにしか見えないものです。もしも構造躯体がダメージを受けてしまったら、もはや塗装どころでは済みません。
今日も明日も、反りは止まることなく進行していきます。反りを発見したら、一刻も早く対処しましょう!
まだ間に合う!?「反り」の補修方法2選
では、「反り」が発生してしまったら諦めるしかないのでしょうか?
初期で気付くことができれば、まだ間に合うかもしれません!
ここでは、具体的な補修方法を2つご紹介します。
①シーリング補修
まだ、目視できるような明らかな隙間が無い段階でとれる補修方法です。
段差ができてしまったサイディングボードの継ぎ目にしっかりとシーリングを打ち、水の浸入を防ぎます。これが一番簡単ですが、初期段階のわずかな反りにしか適用できません。
②ビス打ち補修
もしも、以下の条件に当てはまるなら、リスクはありますがビスを打って強制的に反りを戻すことが可能です。
- 手で軽く押さえれば戻せる程度の反り
- サイディングが脆弱化していない
【手順】
- 指で上から軽く押し、元通りの位置まで戻せることを確認する
- 変形幅の小さいボードの中心部付近に慎重にビスを打ち込む
- 少しずつ変形幅の大きいボードの外側にビスを打ち込んでいく
※いきなり一番外側にビスを打ち込むと、負荷が大きくサイディングボードが割れる危険性があります。
※ビスを強く打ちすぎると割れるので、力加減には細心の注意が必要です。
※ボードの強度が低下している場合、ビスを打つだけでガラスを叩いたように割れる危険性があります。
※水によってすでに下地の木材が傷み、ビスが打てない場合があります。
戻らないなら部分交換
- 軽く押すだけでは戻らない
- すでに口を空けてしまっている
傷んでしまったサイディングをはがし、新しいサイディングに交換します。
ただし、注意点が3点あります。
①同じデザインが無い可能性
多くのメーカーが10年ほどの周期で製品をリニューアルしているため、全く同じデザインのサイディングが生産されていないケースが少なくありません。そのため、「比較的近い」デザインのものを選ぶようになります。
その場合、交換する部分だけが違うデザインのサイディングになってしまうので注意が必要です。
少しでも差がわかりにくくなるように、必ず塗装を行うようにしましょう!
②厚みが異なる可能性
2008年に窯業系サイディングに関するJIS規格の改訂があり、ボードの厚みが「12mm以上」から「14mm以上」に引き上げられました。
特に、厚みの無い12mmのボードは反りやすいため、交換した部分だけ厚みが変わる場合が少なくありません。
また、ボードの種類によっては1面全体で交換しなければならないような場合もあるので注意しましょう!
③下地が傷んでいる可能性
これが本当に注意が必要です。
「口が空いてしまっている」ということは、先ほども説明したとおり「窓を開けっぱなし」の状態です。
ということは、来る日も来る日も構造躯体が水にさらされてきたということです。
この場合、木はすでに傷んでしまっている場合が多いので、木材の補修や傷んでいる範囲の点検が必須と考えましょう。
まとめ
以上、「反り」の危険性はお分かりいただけたでしょうか?
もしも、あなたの家の外壁が反っている場合は緊急事態です!
手遅れにならないうちに今すぐ専門の診断士にきちんと診てもらいましょう!
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