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屋根カバー工法はデメリットが多い!?後悔しないためのポイント

 
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最近、屋根の工事では「カバー工法」という工法をよく耳にするようになりました。カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根材を被せる工法で、「重ね葺き」とも呼ばれます。従来の「葺き替え」(屋根を剝がして交換する工事)に比べて、

  • 工期が短縮できる
  • 工事費用を抑えることができる
  • 近隣への粉塵の飛散が少ない

など、多くのメリットがあることから提案する業者も増え、近年とても一般的になった工法です。一方で、カバー工法には知っておかなければいけないデメリットや注意点が存在します。本記事では、屋根カバー工法で後悔しないために知っておくべき大切なポイント具体的な対策まで詳しく解説しています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事でわかること
  • カバー工法のデメリットやメリット
  • 「葺き替え」との違い
  • カバー工法で後悔しないために知っておくべきポイント
  • リフォーム2大トラブルを防ぐ秘策

 

屋根カバー工法とは?

「カバー工法」ってなに?

屋根のカバー工法とは、文字通り「今の屋根を新しい屋根材でカバーする(重ねる)」工法です。

カバー工法が広まった背景

かつて、「和瓦」が主流だった時代は、瓦=葺き替えで直すものというのが一般的でした。一方、1961年に「コロニアル」や「カラーベスト」といった”化粧スレート”という屋根材が一気に普及しました。このスレートは、おおよそ20~30年で寿命を迎えるため、1990年頃から、徐々に屋根が「塗装できない」状態に突入するお家が増えていきました。かと言って、葺き替え工事は高い。そこで生まれたのが、薄くて軽いスレートだからこそできる「カバー工法」です。日本の主流屋根材となったスレートの塗装の次の段階のメンテナンス需要に対応するために、一気に「カバー工法」が世に広まったんですね。

施工の方法は?

①古い屋根を洗浄して汚れを落とす

②乾いた後

③その上から防水シートを貼り付け・・・

④その上から、新しい屋根材を取り付けて完成

以上が、ざっくりとしたカバー工法の工事工程です。古い屋根をはがしたり、下地を貼り直したりする必要がないため、工期も短く、葺き替えよりもコストダウンが可能です。

 

屋根カバー工法のデメリット

このように、工期も短く、コストも安いという点で非常に人気の高いカバー工法ですが、知っておくべきデメリットがあります。これを知らずに進めてしまうと、後悔するような事態に陥ることもあるので、必ずおさえておきましょう!

デメリット①:屋根の重量が重くなる

最も代表的なデメリットが「屋根が重くなる」という点です。つまり、建物が重くなることにより「耐震性能が下がる」ということです。

そのため、「あなたの家の耐震性能」を事前に調べておくことをおすすめします。

また、使用する屋根材については「軽い屋根材」を使用します。以下の表は、耐震性能を評価する上で用いられる屋根材ごとの建物重量の表です。金属やアスファルトシングルなど、「軽い」分類の屋根材を選択するようにしましょう。

耐震性能における建物重量の分類 屋根材の種類と重量
非常に重い建物 土葺き瓦(約80kg/㎡)
重い建物 和瓦(約48kg/㎡)

モニエル瓦・セメント瓦(約42kg/㎡)

軽い建物 スレート(約18~20kg/㎡)

金属(約5~7kg/㎡)

アスファルトシングル(約12kg/㎡)

「屋根工事」と「耐震診断」はまったく別の専門領域であることから、現状の耐震性能に問題があるかどうかを全く調べること無く工事が進められてしまうことが多いのが現状です。お家の耐震性能によっては、「軽い屋根材を乗せたから大丈夫」という問題ではなく、耐震補強が必要である場合もあります。耐震性能上で問題が無い状態であるかどうか、専門的に理解している業者に依頼するようにしましょう。

 

デメリット②:下地の状態によって耐久性が大きく変わる【重要】

2つ目が、カバー工法の耐久性は「下地の状態によって大きく変わってしまう」という点です。

屋根は、①野地板(9~12mmの構造用合板)②防水シート(ルーフィングシート)③屋根材の3層構造になっています。

屋根材や防水シートが傷むことで、野地板に雨水が流れ込み「雨漏り」が発生します。

カバー工法は、①野地板②防水シート③屋根材はそのままの状態で、新しい屋根材をこの上から古い野地板に取り付けます。そのため、この「野地板」の状態が最も重要です。水が浸入していなければ、野地板は乾いたまま固い状態を保っています。一方、水が浸入してしまった野地板は傷んでしまいます。

【写真】雨漏りにより腐食した野地板

このように、傷んでしまった野地板に新しい屋根を取り付けてしまったら、本来の強度は発揮されません。そのため、カバー工法を行う上で、下地の検査が最も重要な調査項目になります。

 

デメリット③:すべての屋根にできるわけではない

3つ目が、すべての屋根にできるわけではないという点です。今の屋根の上に新しい屋根材を葺くため、和瓦やセメント瓦のように厚みや凹凸がある屋根には施工できません。一方、スレートは厚さ4.5~5.5mm程度の薄くて軽い屋根材です。そのため、カバー工法が主にスレート屋根に採用されているんですね。

 

屋根カバー工法の失敗例とは?

カバー工法における失敗例、つまりトラブルになっているケースはどんなものがあるのでしょうか。ここでは、住宅リフォーム紛争処理支援センターによる2022年のトラブル統計を基に見ていきましょう。

【表】公益財団法人 住宅リフォーム紛争処理支援センター 住宅相談統計年報2022より

統計を見ると、圧倒的に屋根や外壁に関わる「雨漏り」と「はがれ」が多いことが分かります。こちらは塗装やカバー工法だけでなく、内装や電気工事も含めたすべてのリフォーム工事における統計です。その中のなんと31.2%が雨漏りやはがれが占めているのが現状です。さらに、リフォーム部位としては「屋根」が60.5%と最も多くの割合を占めています。つまり、カバー工法を含めた「屋根工事」においては、①雨漏りする②はがれるが最も代表的な失敗例です。

せっかく高い金額を払って工事をしたのに、雨漏りしたり、屋根材がはがれてしまったりしてはたまったものではありません。そのため、カバー工法をするにあたっては

  • どうすれば雨漏りを防げるのか
  • どうすればはがれない施工になるのか

という2点を必ずおさえるようにしましょう。

 

屋根カバー工法のメリットはあるの?

ここまで、屋根カバー工法のデメリットやリスクの部分を中心に話をしてきましたが、注意点さえしっかりとおさえれば、カバー工法は非常にメリットの多い優れた工法です。主なメリットは以下のとおりです。

  1. 葺き替えよりもコストを抑えることができる
  2. 短い工期で施工が可能
  3. 雨漏りを根本的に解決できる
  4. 長期にわたりメンテナンスのいらない状態をつくることができる
  5. 近隣への粉塵飛散がほとんどない

 

繰り返し、大切なのは「重要なポイント」を抑えることです。

 

後悔しない屋根材選び【カバー工法のおすすめ屋根材3選】

大前提として、屋根材に求められる条件は「軽量であること」です。また、塗装工事よりも大きな金額のかかる工事ですから、カバー工法を終えた後にメンテナンスの手間がかからないこと=「耐久性にすぐれること」も大切ですね。それらを踏まえて、おすすめの屋根材を3つご紹介します!

①ガルバリウム鋼板

1つ目は「ガルバリウム鋼板」です。こちらはカバー工法において、最も多く採用されている材料です。

ガルバリウム鋼板のメリット

  • 最も軽量
  • 施工性に優れる

ガルバリウム鋼板のデメリット

  • 塗り替えが必要
  • 部分交換不可
  • 遮音性・遮熱性に劣る

ガルバリウム鋼板のメリットは、何といっても「軽さ」です。スレートがいかに「軽量」であるとしても、屋根を二重にする以上は少しでも軽い方が好まれるため、非常に多く採用されています。ただし、必ず塗り替えが必要になるという点に注意しましょう。中には、業者の方から「塗り替えが不要」と断言されてしまっている方もいるようです。

【引用】アイジー工業「スーパーガルテクト」メンテナンススケジュール

一部の製品を除いて、多くのガルバリウム鋼板は10~15年で塗り替えが必要です。ただし、立地環境によって劣化速度は異なるため、色褪せたら塗装が必要になるということを覚えておくとよいでしょう。

 

②ファイバーグラスシングル

こちらは、「塗り替えなどにかかるメンテナンスコストをとにかく下げたい」という方におすすめの屋根材です。極めて耐久性に優れることから、北米では8割以上の住宅に採用される屋根材です。

ファイバーグラスシングルのメリット

  • 30~40年塗り替えが不要
  • 部分交換が可能
  • 雨音がおさえられる
  • 保証が充実

ファイバーグラスシングルのデメリット

  • 製品による差が大きい
  • 施工後しばらく表面の石粒が少量落下する
  • 施工には技量が必要

こちらの長所は、メーカーからも「30~40年塗り替え不要」とお墨付きの耐久性能です。また、40年以上継続する製品保証に加え、風速50m/s未満であれば風による破損も保証してくれる体制、万が一の際も部分交換が可能という点が魅力です。ただし、日本の屋根は金属を中心とした「板金職人」が中心ですが、こちらの屋根材は取り扱いが金属とは全く異なります。取り扱いに慣れている職人さんがまだまだ少ないという点は注意が必要です。

 

③ジンカリウム鋼板

最後に、ガルバリウム鋼板の表面に石粒を乗せて保護をした「ジンカリウム鋼板」です。上記2つの屋根材に比べると、流通量はまだまだ少ない建材です。

ジンカリウム鋼板のメリット

  • 30~40年塗り替えが不要
  • ガルバリウム鋼板よりも雨音を抑えられる
  • 非常に軽量

ジンカリウム鋼板のデメリット

  • 施工後しばらく表面の石粒が少量落下する
  • やや高価
  • 細かな加工にはやや不向き

こちらは、「ガルバリウム鋼板」と「ファイバーグラスシングル」、それぞれの長所をミックスしたような建材です。そのため、軽さ高い耐久性のメリットを併せ持ちます。やや製品単価が高い傾向があることと、金属に石粒が乗った建材であるため、現地で細かく加工するにはやや難があるという点は注意が必要です。

 

屋根カバー工法できないケースとは?

コストを抑えて、高い耐久性を実現できるため、基本的にはカバー工法がおすすめです。ただし、残念ながらカバー工法ができない状態も存在します。

屋根カバー工法できない「形状」

カバー工法は、和瓦やセメント瓦、ROOGA、曲線型の金属屋根など、段差のある屋根の上には施工ができません。

そのため、段差が数mm程度に収まっているスレート、アスファルトシングル、金属屋根(段差の小さいものに限る)など、凹凸が小さい屋根のみ施工が可能です。

屋根カバー工法ができない「状態」

雨漏りにより「野地板」が傷んだ場合カバー工法はできません。理由は、新たな屋根材をその野地板に釘で打ち付けていく必要があるためです。

すでに雨漏りが進み、野地板に傷みが出ている場合、新たな屋根材はしっかりと固定されずにはがれる原因になります。繰り返しになりますが、必ず野地板の状態を確認してから施工に入るようにしましょう。

 

「カバー工法」と「葺き替え」の違いとは?

「カバー工法」と「葺き替え」の違いは、既存の屋根をはがすか・はがさないかという点です。

重ね葺き 葺き替え
コスト 抑えられる 高くなる
工期 短い 長い
屋根材・下地 そのまま すべてはがし、新たな下地をつくる
廃材 少ない 非常に多い
施工の可否 野地板が傷んだ場合、不可 凹凸の大きい屋根材の場合、不可 いずれも可能

 

【重要】屋根カバー工法で後悔しないためのチェックポイント

屋根カバー工法で後悔しないために、起こり得る2大トラブル「はがれ」と「雨漏り」の具体的な防ぎ方を教えます。

【はがれないこと】下地の状態はしっかりとしているか

最も大切なのは、「下地の状態を調査する」ということです。

実際に、見積もりを取ってみると分かりますが、驚くべきことにカバー工法の提案をするにも関わらず、一切下地の調査を行わない業者が少なくありません。調査を基に、すべての工事は設計されるため、まずはしっかりとした調査をしているのかという点を見極めるとよいでしょう。あわせて、屋根材によっては「強風に対する保証」がついているものもあるため、その点も契約前に確認するようにしましょう!

”はがれ”を防ぐチェックポイント
  • 屋根裏から下地の調査を行ったか
  • 「強風」や「はがれ」に対する保証があるか

 

【雨漏りしないこと】防水シート選びは適切か

さいごに、屋根工事における最重要ポイントをお伝えします。それは「防水シート選び」です。

防水シート(ルーフィングシート)は、屋根材の下に隠れているため、提案の際に説明すらされないケースが少なくありません。ところが、この防水シートには無数に耐久性や特徴の異なる種類が存在し、正しい防水シート選びが雨漏りを防ぐ上では最も重要な部分です。

屋根における雨漏りの根本原因のほとんどが、この「防水シートの破れ」に起因します。反対に、屋根が割れても、防水シートが破れていなければ雨漏りはほとんど起こりません。また、カバー工法では、この防水シートに何百本もの釘が突き刺さりますが、この「釘穴」に対して、雨水の浸入を防ぐ防水シートと防げない防水シートが存在します。中には、雨漏り保証のつくような防水シートも存在します。

リフォームトラブルで圧倒的に多い「雨漏り」を防ぐため、防水シートを正しく選べているかどうかという点はしっかりとチェックするようにしましょう!

”雨漏り”を防ぐチェックポイント
  • 防水シートの種類について説明があったか
  • 「雨漏り」に対する保証があるか

 

まとめ

以上、いかがでしたか?少し長くなりましたが、屋根カバー工法で後悔しないために、トラブルを未然に防ぐ具体策を徹底解説してきました。大切なことなので、再度チェックポイントを以下にまとめます。

カバー工法で後悔しない!重要ポイント
  • 屋根裏から下地の調査を行ったか
  • 防水シートは正しく選定できているか
  • 「雨漏り」・「はがれ」に対する保証があるか

屋根カバー工法は、この先20年、30年を決める大切な工事です。そのため、目の前の業者は上記のような部分を当たり前に行っているか、トラブル1位の「雨漏り」、トラブル2位の「はがれ」、それぞれに対してしっかりと保証があるかといった点を確認するだけで、多くのカバー工法におけるトラブルを未然に防ぐことができます。

そのため、まずはそういったことをしっかりとできる「知識のある業者」を探すところからはじめましょう!

この記事の執筆者:田中

年間約300棟の建物調査を担当。ドローンによる屋根診断、外壁の劣化診断だけでなく、全棟屋根裏まで入って調査を実施。外装劣化診断士、耐震技術認定者の資格を持つ建物診断のプロです。

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