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【スレート屋根の雨漏り】原因や修理方法・費用を詳しく解説

 
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日本では、今も非常に多くの家に使われているスレート屋根。

じつは、比較的雨漏りが起きやすい屋根材です。

こう聞くと、

  • いやいや!うちは天井に染み一つないから大丈夫だよ!
  • 今の家は雨漏りなんてめったに起きないでしょ!

と思った方も少なくないのではないでしょうか?

 

今回はそう思った人にこそ、必ず読んでほしい内容です。

それは、屋根からの雨漏りはほぼ自覚症状が無いからです。実際に、私自身も1000軒以上の家を調査してきましたが、驚くべきことに雨漏りが進行していても、ほとんどの人が気付いていませんでした。そのため、屋根からの雨漏りの性質をよく理解しておきましょう。

 

本記事では、雨漏りの原因や実際の事例、修理方法や費用まで、1記事ですべてがわかるように徹底解説していきます。

スレート屋根の雨漏り原因は?

それでは、主要な雨漏りの原因を解説していきましょう。

棟板金の剝がれ

スレート屋根は、屋根のてっぺんにある「棟板金(むねばんきん)」とよばれる金属板でカバーされています。棟板金は、「貫板(ぬきいた)」と呼ばれる板に釘で打ち付けて固定されています。経年劣化でこの釘が抜けたり、貫板が劣化したりすると棟板金の固定が弱くなり、強風によって飛ばされることがあります。

【写真1】飛んでしまった棟板金

上の写真のように、棟板金が無くなってしまうと雨水はスレートの下に流れ込み、雨漏りが発生します。

注意!

雨水はスレートの裏側で軒先に向かって流れていくので、どこに雨漏りするかはわかりません。

 

スレート屋根の割れ

つづいて、スレート屋根における雨漏りの原因として真っ先にイメージされることが多い「ひび割れ」です。

スレート屋根は、下図のように2枚重ねになるように取り付けられています。1枚目が割れても、2枚目が受け止めてくれている場合もあります。そのため、スレートが割れたら必ず雨漏りするというわけではありません。一方、運悪くひび割れの隙間からスレートの裏側や、スレートを固定する釘に雨水が入り込んでしまうと、あみだくじのようにして建物の中に流れ込み、雨漏りが発生します

【図1】スレート屋根の雨漏りイメージ

これがスレート屋根のひび割れによる雨漏りです。当然、ひび割れの数が多くなるほど雨漏りする確率は上がっていくので、1つでもひび割れが出ている場合は必ず屋根裏から雨漏りしていないかどうかを見てもらうようにしましょう。

 

スレート屋根の反り

【写真2】スレート屋根の反り

つづいて、「反り」による雨漏りです。

スレート屋根は、水を吸ったり乾いたりを繰り返し続けると反ってしまう性質があります。【写真2】は、反りが著しく進行してしまった事例です。見た目のインパクトはひび割れの方が大きいと思いますが、反り=スレート屋根の末期症状」とも言われるほど危険度の高い劣化です

スレート屋根を剥いでみると、その危険性がわかります【写真3】。

【写真3】スレートを剥いだようす

スレートが重なっていた部分を見てみると、重なりの部分のすぐ上にたくさんの釘がありますね?この釘は、スレートを固定するために約22~23cm間隔で打たれており、屋根裏に貫通しています。スレートの反りが進行すると、どんどんと釘の手前が開いていくため、雨が吹き付ければ釘を伝って雨漏りします。

これが、「反り」による雨漏りです。反りは、塗装しても戻ることはないので、ここまで進行してしまった場合は部分補修では直すことができません。

 

すべての根本原因

ここまで読んでいただいて、勘のいい方は「雨漏りの根本原因」に気づいたかもしれませんね!

答えは、防水シート(ルーフィングシート)」の劣化です。

【写真4】防水シート(ルーフィングシート)

スレート屋根の下は、【写真4】のように「防水シート(ルーフィングシート)」が全面に貼られています。そのため、棟板金が取れたり、屋根が割れたりして、スレートの裏側に雨水が流れ込んできても、基本的には雨漏りしないように作られています

一方で、この防水シート自体も短いもので10年、高級なものでも30~40年ほどで劣化し、やがて穴があいてしまいます【写真5】。

【写真5】防水シートの劣化

この「防水シートの穴」が雨水の浸入口になります。つまり、屋根から雨漏りが発生している=防水シートが劣化してしまっているということなのです。そのため、ひび割れや棟板金を補修することで一時的に雨漏りが止まったとしても、また別の場所から雨水が入り込んできたら、再び同じ場所から雨漏りが始まります。防水シートの劣化がさらに進むごとに、いたるところに雨漏りが出始めます。

 

部分補修で一時的にしのぐことができたとしても、根本解決にはなりません。結論、屋根からの雨漏りも部分補修すれば直る!と思い込むのはあまりにも危険なのです。

 

雨漏りの修理方法は?

それでは、雨漏りの具体的な修理方法を解説してきましょう。

浸入点が明確な場合

浸入点が明確な場合は、部分補修することも可能です。

例えば、以下のようなケースがあてはまります。

  • 台風で棟板金が飛ばされたことがきっかけで雨漏りが始まった
  • 飛散物によってスレートが割れ、雨漏りが始まった

このケースで、その他の箇所以外には一切雨漏りが無い場合、そこを修理することで止まる可能性があります。雨水の浸入点が1点で、流れ出てくる点も1点であれば、浸入点を塞いでしまえば雨漏りを止めることができるためです。(このような雨漏りを「単一雨漏り」といいます。)

棟板金が飛んでしまったなら棟板金の交換を、割れてしまったならひび割れの補修をすることで雨漏りを解消できる可能性があります。ただし、以下のリスクが残るので100%の安心はできません。

【リスク①】雨漏りの浸入点が本当に1点しかないとは言い切れない

仮に、疑わしい部位に散水テストをした結果、雨水の浸入が確認できたとします。これなら、間違いなく「ここから雨水が浸入している」と言えます。一方、広い屋根の中で「雨水の浸入口はここ以外には存在しない」ということが確認できません。そのため、修理が終わった後2~3ヶ月は経過観察を行い、間違いなく雨漏りが止まっているということを必ず確認しましょう。

【リスク②】根本原因は防水シートの劣化にあるため、再発する可能性がある

経過観察の後、雨漏りが止まったことを確認できたとしても、やはり安心はできません。なぜなら前項で説明したとおり、「雨漏りした」ということは、防水シートはすでに劣化している可能性が高いためです。そのため、別の場所から雨水が入れば再び同じ場所から雨漏りします。また、1ヶ所防水シートの劣化が進行していたということは、別の場所も経年劣化している可能性が高いです。

 

屋根からの雨漏りの場合、部分補修=応急処置です。緊急処置としては十分有効ですが、必ず根本解決に向けて計画を進めるようにしましょう。

浸入点が明確ではない場合

ほとんどの場合、スレートの屋根における雨漏りの浸入点を特定することはできません。理由は、スレートの下に隠れている防水シートのどこにいくつ穴があいてしまったかを確認することができないためです。そのため、雨漏りを止めるには「防水シートを貼り直す」しかありません。

つまり、スレート屋根から雨漏りが起こった場合、①カバー工法(重ね葺き)②葺き替えのどちらかが必要になります。カバー工法は、今のスレート屋根の上にもう1層屋根を重ねるイメージ、葺き替えは今の屋根を一度はがして作り直すイメージです。それぞれの耐久性は変わりませんが、今の屋根をはがす必要がない「カバー工法」の方がコストを抑えることができます

ただし、カバー工法はあくまで”今の屋根”を土台にして新しい屋根を作る工事ですので、雨漏りによって野地板が腐った場合、釘が効かず、施工ができません。そのため、その場合は葺き替え工事が必要となります。

それぞれの施工方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

 

修理にかかる費用は?

費用は、劣化段階によって大きく異なります。

部分補修で済む場合の費用は、職人さんの人件費+部材代で決まります。

地域や職人歴にもよりますが、職人さんの一般的な日当は2.5~4万円程度です。そのため、半日以内で終わる作業の場合は1万5千円~2万円、1日かかる作業の場合は2~4万円、2日かかる作業の場合は4~8万円、2人がかりの作業の場合はその倍・・・といった単純な計算になります。

※参考:設計労務単価について(国土交通省)

たとえば、雨水の浸入点をシーリングで塞ぐだけの補修の場合は、

 

半日1.5~2万円 + 材料費 ・・・ 合計1.5~3万円程度というようなイメージです。

 

一方、部分補修では済まない場合は「重ね葺き」または「葺き替え」が必要になります。

この場合、使う材料が何か・屋根の大きさや形状・下地の劣化具合・防水シートの種類・・・・など、設計すべき項目が多く、一概に「いくらかかる」とは言いにくいものです。一度信頼できる業者に見積もりするようにしましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?スレート屋根から雨漏りが起きたら、以下の順で施工方法を選択します。

STEP1.雨漏りの発生点が明確なら、部分補修で様子を見る

STEP2.雨漏りの発生点が特定できなければ、カバー工法(重ね葺き)or葺き替え

STEP3.屋根裏調査を行い、野地板の状態によって工法を選択する

ただし、屋根からの雨漏りは、進行しても自覚症状が出ることは稀です。防水シートの平均的な寿命はおよそ15年程度ですので、築15年以上の建物は定期的に屋根裏を調査しておくようにしましょう。

この記事の執筆者:田中

外装劣化診断士、耐震技術認定者の資格を持つ建物診断のプロです。年間約300棟の建物調査を担当。ドローンによる屋根診断、外壁の劣化診断だけでなく、全棟屋根裏まで入って調査。

 

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