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グリシェイドNEOは塗装に向かない!見分け方・注意点を徹底解説

 
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「コロニアル」や「カラーベスト」という名前で知っている方も多いスレート屋根。あなたの家の周囲も、見渡すと非常に多くのスレート屋根があるはずです。それだけ多くの住宅に普及している屋根材であるため、多くの人が「塗装が必要な建材」ということを知っているのではないでしょうか。

ところが、このスレート屋根には「塗装ができる種類」と「塗装ができない種類」があるのをご存知でしょうか?このことを知らなかったために、

  • 塗装して5年で再びメンテナンスが必要になった
  • 塗装して数年で雨漏りが始まった

などというケースが後を絶ちません。あなたの家の屋根材が塗装できるのか、そうでないのかをしっかりと見分けられるようにしておくことも大切です。

本記事では、そんなスレートの中でも比較的多くの住宅に普及している「グリシェイドNEO」という屋根材について徹底解説しています。誰でもわかる見分け方から特性、メンテナンス方法まで、詳しく解説しているのでぜひ最後まで読んでみてくださいね!

 

グリシェイドNEOとは?

「グリシェイドNEO」とは、クボタ社(現KMEW社)から2001年9月に発売された「化粧スレート」と呼ばれるジャンルの屋根材です。その中でもアスベスト(石綿)を使用していないノンアスベストのスレートです。その後、2000年代後半に販売終了となり、「グリシェイドクアッド」「グリシェイドグランデ」などのシリーズに置き換わりました。(2023年現在は、KMEW社では「コロニアルクアッド」「コロニアルグラッサ」などのシリーズが販売されています。)

グリシェイドNEOは、同時期に製造されていたコロニアルNEOと並び、2000~2008年頃の新築住宅の多く採用されています。一方、2000年当初はアスベスト規制の流れが強まったことを受けて、各メーカーがこぞってアスベストに代わる材料を模索した時期でした。しかし、「奇跡の鉱物」とも呼ばれたアスベストに負けない強い材料は簡単には見つからず、ノンアスベスト転換期のスレートは極端に強度が落ちた製品となってしまいました。

そのため、グリシェイドNEOに限らず、この時期のスレート製品のほとんどが強度不足の問題を抱えており、この時期に家を建てた人はとにかく注意を払う必要があります!

スレートと法規制の歴史
  • 1961年:クボタ株式会社から販売開始。この当時のスレートは15%程度アスベストを含む。
  • 1975年:吹き付け材への5%を超えるアスベスト含有が禁止される
  • 1995年:吹き付け材への1%を超えるアスベスト含有が禁止される。
  • 1990年後半〜:アスベストを含まないスレートの開発が進む
  • 2004年:労働安全衛生法施行令の改正により、1%を超えるアスベストを含む建材の製造・販売が禁止される
  • 2006年:労働安全衛生法施行令の改正により、1%を超えるアスベストを含む建材の製造・輸入・譲渡・使用・販売が禁止される

ノンアスベストのスレートが生まれるまでには、このような法規制の流れが背景にあります。特に、1995年には住宅に絡む材料の規制が強まったことを受け、各メーカーが急ピッチで1990年後半からアスベストに変わる材料の模索を強いられたんですね。これが、2000〜2008年ごろのスレートに不具合が多発した理由です。

耐久年数

グリシェイドNEOの耐久年数はおよそ1015です。同じ「スレート」と呼ばれる屋根材でも、製品によって耐久年数は大きく異なるので注意しましょう。

【スレートの年代と耐久年数目安】

①1961〜2000年前後:20〜30年(アスベスト混入タイプ)

★②2000年前後〜2008年 :10〜15年(ノンアスベストスレート導入期)

※グリシェイドNEOはこの時期のスレートです!

③2008年〜現在:15〜25年(現行のノンアスベストスレート)

 

グリシェイドNEO見分ける3つのポイント

ポイント①:形状で見分ける

まずは、グリシェイドNEOの形状について2つの特徴を覚えましょう!

【特徴1】“小口(こぐち)”が一直線の長方形

グリシェイドNEOは、上の写真のようにすべてきれいな長方形が一直線に並んだ形状をしており、表面は木目のような模様があります。比較的、スレートは小口の形状が波型・コの字型・円形など、直線ではないデザインの製品が多く、この一直線の形状はグリシェイドNEOの大きな特徴の一つと言えます。

 

【特徴2】スレートどうしが1cm程度の間隔で並ぶ

長方形が一直線に並ぶスレートの中でも、グリシェイドNEOは「約1cmの間隔」が特徴です。同じ長方形でも、隙間なく敷き詰められている場合は別の種類のスレートです。

ここに注意!

この形状は「グリシェイドNEO」の他に「グリシェイドクアッド」「グリシェイドグラッサ」「グリシェイドグランデ」などの種類があります。形だけで判断せず、その他の特徴も当てはまるかどうかを必ず確認しましょう!

 

ポイント②:建築時期で見分ける

建築時期が2000〜2008年のスレート屋根のお家で上記の形状の場合は、グリシェイドNEOである可能性が高いです。

グリシェイドNEOは2000年から数年間販売されていました。最大手のKMEW社では2008年に多くの新たな製品ラインナップに移行しています。ただし、グリシェイドNEOの後継となる「グリシェイドクァッド」は、同じ形状ですが強度が大幅に改善されています。そのため、建築時期の確認が必須です!

 

ポイント③: 劣化症状で見分ける

とは言っても、建築年月日がよくわからない場合もあるかもしれません。また、同じ時期に作られた同製品でも、製品ロットによって強い場合・弱い場合も存在しているようです。そのため、実際には形状や時期だけでは確実な判断はできません。

そこで、最後のポイントが「劣化症状」で見極める方法です。

同じ見た目でも、「グリシェイドNEO」と「グリシェイドクァッド」では劣化の進行速度が全く異なります。グリシェイドNEOの方が比較にならないほど早いです。

特に顕著な症状として、「割れ」「反り」「層間剥離」があります。

 

グリシェイドNEOの劣化症状

層間剥離

1つ目は「層間剥離(そうかんはくり)」です。まずは、以下の写真をご覧ください。

【写真1】両端の極端な変色

【写真1】のように、1枚だけ両端から極端に変色が進行している場合があります。これだけ見ても「汚れたのかなぁ?」くらいにしか思わないと思いますが、実際は違います。

【写真2】剥離と崩壊

その端の部分を拡大したのが【写真2】です。角の部分は表層から剝がれては崩れ、ボロボロになっています。ボロボロになっていった結果、汚れが溜まりやすくなり、極端に黒くなって見えているんですね。このようにスレートが、薄く何層にも分かれて剥がれる現象を「層間剥離現象」といいます。剥がれた層は、薄くもろいため、写真のように崩れていってしまいます。これを繰り返すため、”割れる”というよりも”崩れる”ような劣化を発生させます。

これは、2008年以降につくられた後継のスレートではほとんど発生しない症状です。

 

割れ

2つ目は「割れ」です。グリシェイドNEOは、他のスレートに比べて非常に強度が低いため、染み込んだ水分の凍結や強風などによってひび割れが頻発します。

以前のスレートは、強靭なアスベストがいわば”つなぎ”の役割を果たしていたので、ちょっとやそっとでは割れませんでした。一方、グリシェイドNEOをはじめとする2000~2008年頃のスレートは、この”つなぎ”になるものを模索していた時期だったため強度が低く、異常に割れます。ここは、抗うことのできない性質です。ひとくくりに「スレート」といっても、10年で割れてしまうスレートと、ほとんど割れないスレートがあり、グリシェイドNEOは前者です。

 

反り

3つ目は「反り」です。グリシェイドNEOは小口が一直線の長方形をしており、外側に向かって反りやすい性質があります。

反ってしまう問題は大きく3つです。

  1. 変形に耐え切れず割れを引き起こす
  2. 開いた隙間から水が入り、雨漏りを引き起こす
  3. 反りは元に戻すことができない

塗装をすると、反りの進行は緩やかになります。でも、元の平らな屋根には戻りません。そのため、反りを発見したらメンテナンスに踏み切る前に必ず屋根裏から雨漏りが出ていないかを点検するようにしましょう。

※「反りと雨漏りの関係」については、以下の記事を読んでみてください↓↓

 

スレートはどうして反るの?

スレートは4.5~6mm程度の繊維混合セメント板です。そのため、水を吸うと膨張し、乾くとギュッと収縮します。セーターを洗って乾かすと縮むのと同じように、スレートも徐々に水を多く吸った外側の面から縮んでいきます。結果、スレートの上面が引っ張られて「Uの字」のように反っていく性質があります。

 

グリシェイドNEOは塗装できる?

グリシェイドNEOは塗装できません。正確にいうと、塗装はできますが塗装する意味がありません。スレートは水を吸って劣化します。だから塗装して「吸水による劣化」を防ぎます。これが塗装の目的です。ところが、10年以上経過して脆くなったグリシェイドNEOは吸水とは無関係に割れます

あなたがお家の塗り替えを検討しているなら、少なくとも「塗装をして、あと10年くらい持たせたい」と希望しているはずです。ところが、塗装をしても年々加速するひび割れや層間剝離の発生を止めることはできません。

形状だけで判断しない!

同じ見た目なのにグリシェイドNEOではない”塗装ができる”種類もあります。前述のとおり、複数の条件を満たすかどうかを慎重に見極めましょう。

 

グリシェイドNEOのメンテナンス方法

グリシェイドNEOのメンテナンス方法は①カバー工法または②葺き替えです。

「葺き替え」「カバー工法」って何?
  • 「葺き替え」とは、今の屋根を剥がし、新たな屋根を作り直す(葺き直す)工法です。
  • 「カバー工法」とは、今の屋根を剥がさず、新たな屋根材を上から重ねる工法です。

葺き替えは、下地を作り直すので、雨漏りなどで下地が傷んでしまっていても工事が可能です。一方、カバー工法は今の下地に新しい屋根を打ち付けるため、下地が傷んでしまったら施工不可となります。ただし、葺き替えは屋根を剥がす費用・剥がした屋根材を捨てる費用・下地を作り直す費用が余分にかかるため、下地が痛んでいなければカバー工法がおすすめです。

ただし、カバー工法はコストを下げられる反面、注意しなければならないポイントもあります。そういった大事なポイントを見落とされたまま工事に進んでしまっている事例も非常に多く目にします。そのため、カバー工法を検討している方は、下記の記事を読んで後悔しないためのポイントを知っておいてください!

 

まとめ

今回は、「グリシェイドNEO」という屋根材について解説しました。

一時期に比べると、グリシェイドNEOをはじめとする”ノンアスベスト”のスレートに対する理解は、業界全体としても上がったようには感じます。それでも、今もなお「塗装で大丈夫ですよ!」と言われてしまうケースは多いようです。一方、日々弊社にも「数年前に塗装したが、割れが再発した」というお問い合わせが絶えません。

あなたの人生でもそう何度とない大切なご自宅のメンテナンス。しっかりと屋根材の種類やメンテナンス方法を理解している業者に依頼するようにしましょう。

この記事の執筆者:田中

年間約300棟の建物調査を担当。ドローンによる屋根診断、外壁の劣化診断だけでなく、全棟屋根裏まで入って調査を実施。外装劣化診断士、耐震技術認定者の資格を持つ建物診断のプロです。

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