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【1記事でわかる】コロニアルNEOのすべて!塗装できる?正しいメンテナンスは?

 
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日本では非常に多く見かける「スレート」の屋根。「カラーベスト」や「コロニアル」という名前の方が馴染みがある方もいると思いますが、どちらもこの「スレート」と呼ばれるジャンルの屋根材です。(ここでは細かな説明は割愛しますね。)

ひとことにスレート屋根といっても様々な種類が存在します。中には、塗装に向かない製品も数多くありますが、今回はその代表格である「コロニアルNEO(コロニアルネオ)」について、実際の事例を基に徹底解説していきます。

この記事でわかること
  • コロニアルNEOという屋根材の特徴や見分け方
  • 実際に塗装を行って数年後の姿
  • メンテナンスはどうすればいいの?

インターネットで検索をしても、様々意見が分かれているメンテナンス方法についても、実際にメンテナンスが終わった後どうなっているかを追った記事はほとんどありません。本記事では、そのあたりもたくさんの事例を交えて詳しく解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください!

コロニアルNEO(ネオ)とは?

製造期間

コロニアルNEOとは、2001年にクボタ株式会社(現KMEW社)から 発売された屋根材です。現在も販売されている「コロニアルクアッド」が2008年に発売されるまでの約7年間販売されました。そのため、2023年現在築15〜20年前後のスレート屋根の家には、コロニアルNEOが使われている可能性があります。スレート屋根を世に生み出したクボタ社のスレートであるため人気が高く、この時期に建ったお家にはかなり多く採用されています。

 

コロニアルNEOとは

コロニアルNEOは、「アスベスト」を含まないノンアスベストのスレートです。最も代表的な性質は、「もろい」ということです。

アスベストって?

アスベスト(石綿)と聞くと、まず「人体に悪影響があるもの」というイメージが湧く方がほとんどだと思います。一方、このアスベストは、細い天然の鉱物繊維で、熱・摩擦・酸やアルカリ・引っ張りに強い性質を持ち、建材にとってはとても都合のいい”奇跡の鉱物”とも呼ばれていました。そのため、かつてはセメントを主原料とするスレートに混合させることで、”薄くて軽いのに丈夫”という性質を実現していたのです。日本では、約50年前から段階的にアスベスト使用規制が始まり、2004年に1%、2006年に0.1%を超えるものの製造が禁止となりました。

コロニアルNEOが発売となった2000年初頭の頃は、この強いアスベストに代わる素材を各メーカーが必至になって模索していた時期でした。でも、ピアノ線よりも引っ張りに強いアスベストに代わる素材はそう簡単には見つからず、木片や合成樹脂を混合して製造したんですね。そのため、コロニアルNEOに限らず、2000~2008年頃に発売したスレートの多くがもろい性質があります。

↓↓以下の記事でも代表的な強度の弱いスレートをまとめているので、参考にしてみて下さい!

 

コロニアルNEOの見分け方

スレートは、築年数や表面の模様、形状によってどの製品かを種類を見分けます。どれも基本的に形状が似ているため、注意しましょう!

コロニアルNEOは”形状”で見分けるのが分かりやすいです。下の写真をご覧ください。

【特徴1】凹凸幅は両端だけ狭くなっている

【写真】コロニアルNEO

コロニアルNEO中央の凹凸はほぼ同じ間隔(厳密にはへこんでいる方がやや短い)、両端が約半分の幅になっています。これが整列することで、すべての凹凸が等間隔にきれいに並んで見えるようにデザインされているんですね!

 

【特徴2】切り込みの角度がナナメ(約120°) ←おすすめ!

コロニアルNEOの切り口はナナメ120°に入っているのが特徴です。同じように、凹凸型の形状のスレートは他にもたくさんありますが、切り口はどの製品も直角です。そのため、写真のように切り口がナナメなのか・直角なのかという部分をチェックしましょう!

 

コロニアルNEOの寿命と劣化症状

コロニアルNEOの寿命

コロニアルNEOの寿命は約10~15年です。

※ここでいう「寿命」とは、「塗装しても延命できなくなった状態」と定義しておきます。(詳しくは、以下の記事をご覧ください)

 

各年数のコロニアルNEOの調査写真を載せていきます。

(1)築10年の事例

これ、写真だとわかりにくいですが、下から2枚目のスレートが横割れしています。でも、まだ大きな割れは生じていませんでした。

 

(2)築15年の事例

こちらは先ほどより、はるかに苔の繁殖が広がっています。これだけ黄色くなる頃になるとスレートは脆くなるので注意してください。なんとなく写真にもひび割れのような筋がいくつも見えます。

風が強く当たる頂上付近を見ると、すでに欠けて飛ばされてしまっていました。

 

(3)築15年の事例②

こちらも築15年の調査写真です。こちらは写真内でも10本以上のひび割れが確認できます。補修して塗装もできなくはないですが、割れていることが問題なのではなく、これだけ割れを頻発させるほどの強度低下が問題です。

 

(4)築16年の事例

こちらはひび割れではとどまらず、大きく割れてしまっていました。

屋根が完全に欠けてしまっている箇所が複数確認できる状態でした。

 

このように、築10年頃から割れはじめ、急激に劣化していきます。15年を過ぎる頃には、数え切れないくらいひび割れが起きるのがコロニアルNEOの「性質」です。

 

代表的な3大劣化症状

それでは、コロニアルに見られる代表的な劣化症状を3つ紹介します。

劣化症状①:極端な変色

他のスレートにはあまり見られない、コロニアルNEO特有の症状として、局所的に黒く変色することがあります。その部分は、近くに寄って確認すると、ボロボロになっていることが多いです。

 

劣化症状②:割れ・欠け

最も多いのが、割れ・欠けです。特に、コロニアルNEOは縦にも横にも無作為に割れる性質があります。

前章で説明したように、はじめにひび割れが発生し、急激に増加し、やがて屋根が欠けたり落ちたりという状態を頻発させます。コロニアルNEOにおいては、最も多く報告されている代表的な劣化症状です。

 

劣化症状③:崩れる

さらに進行すると、割れるだけじゃなく崩れる症状が発生します。

この段階の場合、「パキっと」割れるというよりも、ボロボロと崩れるように欠けていきます。よく見ると、局所的な変色の部分でお見せした写真も同じように崩れていますね。

 

実際に塗装した数年後の様子

コロニアルNEOは「塗装できる」という意見と、「塗装できない」という意見が、インターネット上でも業者間でも分かれていますね。ただ、ひとつ確実に言えるのは、塗装して長持ちした家を1件も見たことがないということです。

実際に塗装したコロニアルNEOが数年後どうなっているか、実際の調査写真をお見せしていきます。

(1)塗装後1年

こちらは、1年前に塗装を終えたコロニアルNEOです。「去年塗装を終えたが、業者から屋根の指摘が相次いだので見てほしい」とのことで調査に入りました。すでに複数のひび割れが入り始めている箇所や、屋根材自体が膨れるように変形している箇所があることが分かります。

 

(2)塗装後2年

こちらは、塗装後2年の状態です。すでに白くひび割れが発生し始めていることが分かります。(塗装自体も色あせしているので、そもそも施工もよくない気もしますが・・・)

こちらは、某ハウスメーカーにて2年前に塗装を終えたコロニアルNEOです。塗装はピカピカに光っています。ところが、すでにいたるところに黒いひび割れが無数に生じています。

 

(3)塗装後4年

こちらは、「もうしばらくメンテナンスをしたくない」という理由から期待耐用年数20年のフッ素塗料で施工されたお家です。ところが、たまたまアンテナを修理する業者が屋根に上がった際に「すぐやらなきゃまずい」と指摘され、調査依頼に至りました。すでに無数に白いひび割れが屋根全体に広がり、屋根裏に雨漏りが発生していました。

やはり、風が強く当たる頂上付近には、すでに欠けてしまっている場所もありました。補修しようにも、ひび割れの数が多すぎるため、やむ無くカバー工法によるメンテナンスを行うことになりました。

 

(4)塗装後6年

こちらは前回6年前に屋根だけ塗装をしたお家です。そろそろ壁の塗装をやるために調査依頼になったのですが、壁よりも屋根の方が劣化が進行している状態でした。写真のような割れが屋根全体に広がり、雨漏りも発生してしまったため、最終的には施工後たった6年で屋根のカバー工法に至りました。

 

これまで1000棟以上の家を調査してきましたが、コロニアルNEOに塗装して割れの進行が止まった家は今まで1例もありません。

 

塗装できない?正しいメンテナンスは?

ここまで読んでくれた方ならもうお分かりだと思いますが、コロニアルNEOには塗装できません。正確には、塗装すること自体はできますが、劣化が収まることないため塗装する意味がありません。そのため、塗装をしても、10年以内に必ずカバー工法や葺き替えによるメンテナンスが必要になります。

現在、カバー工法や葺き替えで使う屋根材は、20~30年以上メンテナンスが不要な種類も多く販売されています。そのため、塗装をして数年後に改めてカバー工法や葺き替えをするのではなく、はじめからカバー工法や葺き替えをしてした方が明らかに余計なコストを抑えられます。

コロニアルNEOのメンテナンスは①カバー工法(重ね葺き)②葺き替えのどちらかを選択するようにしましょう。

 

屋根カバー工法がおすすめ

状態にもよりますが、基本的には「カバー工法」がおすすめです。

理由はコスト

カバー工法は、古い屋根の上から新しい屋根を重ねる工事です。一方、葺き替えは、古い屋根をすべて撤去・処分し、下地(野地板)から屋根を作り直す工事です。そのため、葺き替えには

  • 古い屋根材撤去の作業費
  • 古い屋根材の処分費
  • 新しい下地(野地板)の設置費・材料費

が上乗せされるため、その分費用が高くなります。

一方、下地(野地板)が傷んでいなければカバー工法も葺き替えも、耐久性能はほぼ変わりません。そのため、下地がダメージを受ける前であればカバー工法を選択するのがおすすめです。

 

適切な業者の選び方

最後に、コロニアルNEOは施工後のトラブルが多い製品です。そのため、しっかりと知識を持っていることが何より重要です。

よく、「塗装で大丈夫ですよ、これまでもたくさんやってきてますから!」と言われてしまうケースがあります。「たくさんやってきたこと」は安心の根拠になるのでしょうか?少なくとも私は、コロニアルNEOに塗装してしまったがために後悔している方を本当にたくさん見てきました。

  • 製品について詳しく知っていること
  • 塗装した後、10年後どんな風になっているかを知っていること
  • 将来的にかかる費用まで寄り添って考えてくれること
  • カバー工法か葺き替えか、屋根裏から下地(野地板)の状態まで調査してくれること

どれも当たり前のことですが、知識のある業者なのかということをしっかりと見極めることが何より大切です。

 

まとめ

今回は、コロニアルNEOという屋根材について徹底的に解説してきました。安易に塗装で済ませようとせず、正しいメンテナンス方法を選択できる業者を選ぶようにしましょう!

補足ですが、コロニアルNEOは10~15年が寿命とお伝えしました。コロニアルNEOは、2007年には販売終了している製品ですので、2023年現在使われているコロニアルNEOは、すべて少なくとも築16年以上経過した危険領域に入ってきていることになります。

もしもあなたの家の屋根がコロニアルNEOである場合、今すぐ知識のある業者に現段階の状態をしっかりと調査してもらうようにしましょう!

この記事の執筆者:田中

年間約300棟の建物調査を担当。ドローンによる屋根診断、外壁の劣化診断だけでなく、全棟屋根裏まで入って調査を実施。外装劣化診断士、耐震技術認定者の資格を持つ建物診断のプロです。

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